トロント映画祭(tiff) by 高畠晶 (2011年10月)

毎年恒例のトロント国際映画祭が、今年も無事終了した。今回は、日本の某配給会社の買付けのためのコーディネーション業務を行い、毎晩12時過ぎに帰宅し、6時過ぎに起きて仕事に向かうという、体力の限界を試すような10日間を過ごした。

トロントのダウンタウンにあるtiff本部

基本的にはセールス会社とミーティングを行い、余った時間で映画を観てレポートを提出する、というようなことをしていたのだが、日本の映画配給会社で働いていた時の映画祭出張と同じ様な内容だったため、戸惑うことなく仕事をすることができた。
また、日本からの知り合いのバイヤーや、昔映画祭の度にミーティングをしていた海外のセールス担当者に久々に会うことができ、忙しいながらも楽しい時間を過ごせた。

今年は私がトロントに移住してきてから丁度3回目の映画祭になる。2009年9月にカナダに引っ越してきた私は、ハンガリーの映画会社のつてで、トロントのEntertainment One (E1)という映画会社を紹介してもらい、期間中、海外セールスのサポート業務をやることになった。

カナダの地を踏んでまだ1週間も経っていない時に映画祭が始まったため、時差ぼけと戦いながらの仕事だった。だが雑用的な仕事内容ではあったものの、E1のセールスチームと仲良くなることができたし、なによりもすぐに仕事に就けたことが嬉しかった。しかし契約が映画祭期間中のみだったことで、その後E1でセールスをしている女性に、彼女が以前働いていた Cinemavaultという映画会社を紹介してもらった。

電話をかけると、「あ、じゃあ明日にでもオフィスに来て」という軽いノリで会いにいくと、「あ、じゃあ来週から働きに来て」というまたまた軽いノリで就職が決まったのであった。

Cinemavaultは、カナダの会社で唯一国際的な映画祭に参加している会社だったため、私もカンヌなどで何度かミーティングをしたことがあったが、その時はまさか自分がその会社で働くことになるとは夢にも思っていなかった。しかし半年後Cinemavaultの業績が悪化し5人ほどクビになったのだが、一番新参者の私はやはり一番最初にクビになってしまった。

その後映画関係に絞って就職活動を始めたが、2、3回面接まで行けたものの全て就職まで辿り着かなかった。一度はアシスタントという自分としてはかなり下のポジションを受けたつもりだったのが、20代前半の若い女子に面接された挙げ句に、落とされた時は「カナダなんか嫌いだー!日本に帰ってやる!」って思ったものだ。本当に!

しばらくやる気が起きず引きこもりがちになっていたのだが、「このままではイカン!」と思うようになり、就職が決まるまでフリーランスとしてやっていこう、と決めた。グラフィックデザイナーの夫に名刺を作ってもらい、肩書きも何だかこそばゆいがFilm Industry Consultantというタイトルを付けることにした。

フリーランスとして迎えた2年目には、事前に映画祭事務局のためにレターの翻訳などの仕事をしたため、インダストリーバッジを貰うことができた。毎日通ってカナダの映画業界の人に沢山会おうと思っていたところ、日活から園子温監督のアテンドという仕事を頂いた。

園監督は去年、『冷たい熱帯魚』という作品が上映されていたためトロントに来ることになっていたのだった。同監督の『愛のむきだし』という上映時間4時間!の傑作をチェコのカルロヴィ・ヴァリ映画祭で観て以来ファンだった私は、とても楽しくアテンドさせて頂き、『冷たい熱帯魚』も監督と一緒に鑑賞することができたので、心に残る映画祭となった。

ちなみに今年の園監督の作品は『ヒミズ』が上映されたのだが、同作品はヴェネチア国際映画祭では主役の二人が最優秀新人俳優賞をダブル受賞するという快挙。さすがである。

次の仕事は、10月末に開催される東京国際映画祭期間中に、Telefilmと組んでカナダ映画の上映会をカナダ大使館で行うことになっている。これに関しては終わった後に顛末を書こうと思う。

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