Perspective Canada開催 Ⅰ by 高畠晶 (2011年12月)

 

10月24日から26日までの三日間、東京国際映画祭(TIFF)の併設マーケットとして毎年秋に開催されているコンテンツマーケット、TIFFCOM、が六本木ヒルズで開催されました。そこでカナダの映像や音楽業界の制作や国内外でのプロモーションなどの支援をしている政府機関であるTelefilmとカナダ大使館が主催で、Perspective Canadaというカナダ映画の上映会と、TIFFCOMでのブースの設置が行われたのですが、私は現地コーディネーターとして派遣されました。

丁度1年ほど前に、カナダ映画祭を東京で開催してみたいと考えた私は、大使館に連絡を取ったのです。しかし担当の方と話をしてみると、映画祭は字幕を付けたり、プリントを取り寄せたりするのにとてもお金がかかるため、費用が工面できない限り難しいことが判明しました。

そこで考え付いたのが、バイヤー向けの上映会でした。バイヤーは通常英語が分かるため、日本語字幕も要りませんし、プリントで上映する必要もありません。そのため経費がほとんどかからない上に、Telefilmやカナダ大使館など、自国の映画産業の促進を行っている政府機関としては、文化的促進に加えて経済的促進が見込めるため、企画が通る可能性が高いと睨んだのです。

大使館以外にも、Telefilmやオンタリオの州政府機関であるOMDC (Ontario Media Development Corporation)、またトロント国際映画祭(Toronto International Film Festival : TIFF)にも連絡を取ってみたのですが、最初会ってくれたのは人脈があったOMDCとTIFFでした。

OMDCはオンタリオで制作された映画であれば検討はできるが、多少の予算しか出ないとのことでした。TIFFはハーパー政権が海外プロモーション用の予算を削減したため、金銭的な援助は一切できないが、アドバイスや名前の使用の許可などの御協力はしますとのこと。

ただ、今まで映画祭を日本で開催した経験上、例えバイヤー向け上映で経費が通常の映画祭よりは少ないとは言え、数千ドルではできません。Telefilmが興味を示せば開催できる可能性があるのは分かっていたのですが、Telefilmには知り合いがいませんでした。そこでOMDCやTIFFの人に連絡先を伺い、メールや電話を何度かしてみたのですが、一向に返事が来ませんでした。

そうこうしているうちに2月のベルリン映画祭が始まり、当地にいた私はそこでTelefilmのエグゼクティブ・ディレクターであるCarolle Brabantさんとお会いする機会に恵まれました。Brabantさんは私の話を聞いてくれた上「とても興味があるので企画書を送ってください」と仰ってくれました。また国際関係の担当者も紹介してくれました。

すぐに私は企画書を書いてBrabantさんと担当者にメールをしたのですが、「忙しいので近いうちに返事を致します」という返信が来るのみで、中々具体的な返事を貰うことができませんでした。

そして5月にカンヌ映画祭が始まり、カンヌでもまたお二人に会う機会がありました。Telefilmは主要な映画祭でブースを出し、映画のプロモーションを行っているのです。そこでやっと「アジアでのカナダ映画の促進には前々から興味があったので、是非前向きに検討したいです」というお返事を頂くことが出来ました。ただ上層部の許可が必要なため、映画祭以降に企画を挙げてみてからの判断になります、とのことでした。

またカンヌにはTIFFCOMの方々も参加していたため、企画の趣旨を説明したところ、TIFFCOMはアジアからの参加は多いのですが、北米やヨーロッパはまだ少ないため「カナダからの参加は大歓迎ですし色々とご協力します」と言ってくださいました。

そこでTelefilmの担当者にTIFFCOMの担当者の方を紹介し、TIFFCOMからもどのようにご協力して貰えるかを、直接担当の方から説明していただきました。

そして6月になり「やりましょう!」との連絡がTelefilmから入りました。企画から半年以上、やっと企画が通ったのです。(続く)

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