~トロントからのつぶやき~ by 空野優子(2012年3月)

トロントは人が寛容でおおらかで住みやすい街、と以前書いた*が、今回はそのおおらかさの裏側、テキトーでイイカゲンなトロントについて書いてみたい。

St. Clair West駅の故障中のエスカレーター。いったん故障すると、ひどいときは一週間くらいずっととまっている。

トロントの市民の足、公共交通機関であるTTC (Toronto Transit Commission)の話から。これは日本の快適な鉄道生活になれた人の感覚からすると、とにかくよく遅れるし(というかまず時刻表がない)、とにかくよくとまるし、とにかくよく散らかっている。私は通勤に地下鉄とバスを利用しているが、だいたい週に2回くらいは遅延のアナウンスが流れている。理由は電気系統の故障だったり、急病人だったり火事(?!)だったりさまざま。ついこないだはダウンタウンのユニオン駅で洪水(???)とかで日曜日のほぼ半日、地下鉄がとまっていた。

乗り物だけじゃない。駅のエスカレーターもあきれるほどよく止まっている。私は先日膝の手術をしてしばらく松葉杖を使っていたのだが、その間、2日に1日くらい故障している駅のエスカレーターにさんざん痛い目にあった。

Spadina駅のストリートカー(路面電車)の中から。運転手が新聞を読んでいるの、わかりますか。ココは始発駅なのでサボっているわけじゃないんだろうけれど、なんせ時刻表がないのでのんびりしています。

問題はハード面にとどまらない。サービスもたいがいイイカゲンである。2年ほど前、改札横のボックスの中で勤務中に居眠りしている駅員の写真がネットに流れて問題になり、以来サービス向上を目指しているという噂だが、それでも満足には程遠い。「駅員全員日本に送り込んで1週間でも研修してくれればなぁ~」と思ってしまう瞬間が多々ある。

これはきっとココには接客サービス、という文化があまりないからなのだろう。日本で接客業につくと、本人が好む好まざるに関わらず、お客様第一が大原則だろう。それがカナダの場合、個人主義というか適当というか、(私の観察では)接客態度はどうやら本人にまかされているようだ。つまり、もともと丁寧で親切な人は接客でもそうだが、そっけない人の場合、対応も腹立たしいほどそっけない。

そしてもう一つ。ココはカナダ版ミスドのようなところなんですが、閉店前でもないのにショーケースが空っぽ。お店の人もとくに申し訳なさそうでもなく、まあこんなこともあるわな、という感じです。

ただ、本人任せのサービスは悪いことばかりではない。サービスの基準というものがない(?)代わり、持ち合わせの小銭で運賃がたりなくても頼んだら乗せてくれたり、とてもユニークな車内放送が聞けたり、なんてこともある。先週末乗ったバスでは、運転者が路線の変更をマイクでアナウンスしていたのだが、その内容はこんな感じ:「えー皆さま、このバスは次の停留所が最終でその後折り返し運転になります。この先へ向かわれる方は後方のバスにお乗換えください。ただ、残念ながら後方のバスの運転手は僕ほどハンサムではないのでどうかご了承願います。」

こういう場面に出会うと、なんだかほっとするというか、いつもイライラさせられているにもかかわらずこの街トロントに愛着がわいてしまうのである。

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