アジア人へのヘイトクライムとパンデミック:アジア系女性としての選択

文・三船純子

パンデミック以前には何も考えずに行動していたことを、去年の春からの生活では色々と考え選択する事が増えた。

食糧の買い物はオンラインで済ませている友人や、Curbside Pick-Up(オンライン注文し、店先で受け取るシステム)だけを利用している友人知人も多い。私は買い物に出かけることが多いが、時間帯と行く店、そして頻度を考えるようになった。

皆マスクをしていても、すぐ近くまで近づいてくる人が結構いるので、不安になる事もある。一度だけ少し迷ったが意を決し、店内で並んでいる際にあまりにも近くに立っていた人に距離を置くよう丁寧に言及した事があった。わかってもらえたようで、謝りながらすぐに距離を置いてくれた。

Community Health Centreでの仕事はクライエントとの接触もある為、3月初旬に第一回のワクチン接種受ける選択をした。ワクチン接種の決断は最終決断は個人に任される為、委任ではない。接種時に迷いはなかったが、少し前にはワクチンの副作用や安全性について様々な情報が飛び交っていたので、多少の不安があった。職場を含む周りではワクチン接種を奨励し極的な人も多い中、そうでも無い見解も少なからずあるのも事実だ。。

1週間の内数日は出勤しての勤務を続けているが、職場で仕事をしていても、在宅勤務でも、1日に1度は、職場の周りか、自宅の近所を気晴らしと運動を兼ねて散歩するようにしている。近所の散歩はどこをどのように歩くか大体のルーティーンが決まっているが、職場からランチタイムに歩ける場所は限られている。なるべく人通りの少ない道を選んで、こちらに向かって歩いて来る人がいれば、お互い歩道から降りて距離を置きながらすれ違い、道を渡り人通りのない反対側の歩道に移動する選択をするのが日常となった。以前はぎこちない選択の上の行動だったのが、今では皆スムースにさっと移動する。

先日ダウンタウンの病院で年に一度の検査があった。ダウンタウンで車の渋滞があると時間が読みにくく、病院付近の駐車スペースを探すのが大変な事も多いので、以前はダウンタウンに行くのはTTC(トロントの公共交通機関)が常だった。しかしンデミック以降は、ダウンタウンへ行く機会がったこともあるが、TTCはほとんど使っていない。健康の為にと通勤もTTCにするようにしていたのを、感染の不安から車での通勤や移動に変える選択をした。

それに加えて、今回私がTTCを使ってダウンタウンの病院まで行く事に躊躇したのには、急増するアジア系へのヘイトクライムへの懸念も少なからずあった。アジア系への差別的言動や暴力がメディアで取り上げられ、その多くが交通機関、店内、歩道や公園などを含む公共の場で起こり、その6割以上は女性に向けられていることが頭をよぎったのだ。

トロントで非常事態宣言が発令された直後の去年の春先に、中国系の20代の同僚が、オフィスの前で、中年の白人男性から唾を吐きかけられた。彼女はカナダ生まれの中国系カナダ人である。アンチ・アジアのヘイトクライムは中国系の被害者が一番多いようだが、日本人も、去年ニューヨークで日本人男性が暴漢グループに襲われ重傷を負い、2月にはパリで日本人女性が液体塩酸で襲撃され、先週はシアトルでやはり日本人女性が暴行される事件が報告されている。

病院への道すがらラッシュアワーではない時間帯に、比較的空いている地下鉄に乗り、久しぶりにダウンタウンを歩きながら、感染以外にも心配しなければならないことがある事が悲しくなった。

折しも79年前の2月19日に、アメリカでは大統領令9066号が発令され、追ってカナダ政府も同様の排日発令を5日後に出し、北米の日系人は事実上の財産没収及び強制移動と収容を経験する事になった。非常事態下で制限の多いストレスと不安が募る中、マイノリティーに標的を当て、理不尽な怒りの矛先を弱者に向けているのは、80年前のヒステリアと同じ状況だ。

下記は、私達が当事者のサポーターとしてできることについてのリソース、そして万が一被害を受けた際に報告ができるリンクである。悪しくも被害に遭ってしまったり、周りに被害を受けた人がいたら、差別に向き合い被害の報告をしたり、被害者により沿ってサポートしていく勇気を持ちたい。それも大事な選択であるから。

https://www.facebook.com/proj1907/photos/pcb.266861588359105/266861325025798

https://secure.sswr.org/social-works-call-to-action-against-pandemic-othering-anti-asian-racism/

ヘイトクライムの報告:

https://act2endracism.ca/racism-form/#japanese

https://act2endracism.ca/anti-racism-form-japanese/

https://www.covidracism.ca/report

また、下記は傍観者として介入する為の無料トレーニング(英語、中国語、韓国語、ベトナム語)の情報です。
https://www.ihollaback.org/bystanderintervention/?fbclid=IwAR1SVx1lqmexjchl8nJK7TUmRmb9CGPGt639YRSsOgXYngQhmxjR4UWm8TY

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