トロント日本映画祭2020 オンライン上映のご案内【特別寄稿】

文・高畠 晶

 オンタリオ州の州都・トロント市の郊外にある日系文化会館が、毎年6月に開催していた「トロント日本映画祭」は、COVID-19のため本年は10月3日からオンラインで開催されています。(ただし、視聴はカナダ国内のみとなります)

今年で9年目を迎えましたが、初のオンライン上映です!カナダでは観られない話題作の最新映画が1作品$9.99で観賞出来るため、家族で観ると映画館に行くより大変お得です。COVID-19が心配な方も自宅で安心!オンラインのため、トロントに限らずカナダ全国での視聴が可能なのも日本映画ファンには朗報です。スマホやパソコンからテレビ画面に繋げて視聴することも出来ますので、是非オンライン上映でトロント日本映画祭を楽しんで頂けると嬉しいです。

今年のイチオシ作品は以下の二作品です。

2011年の東日本大震災に伴う原発事故で、現場にとどまり奮闘した職員の姿を描いた『Fukushima 50』(主演:佐藤浩市、渡辺謙)です。またジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン主演のハリウッド映画を、吉永小百合、天海祐希主演でリメイクしたハートフルドラマ『最高の人生の見つけ方』も、泣いて笑える映画です。

時代劇は毎年人気ですが、今年は2本選びました。

一本目は現代の金額にするとおよそ9500万円かかるという忠臣蔵の予算の裏側を描いたコメディ『決算!忠臣蔵』、二本目は江戸時代に姫路藩から大分への国替えという超難関プロジェクトを、星野源主演で描いた喜劇『引っ越し大名!』です。両作品とも人気俳優陣が集まったエンタテインメント時代劇なので楽しんで頂けると思います。

このほか、史上最悪のダメ総理が記憶を無くして良い人になってしまう三谷幸喜監督の新作『記憶にございません!』、福山雅治x石田ゆり子主演の切なくも美しい大人のラブストーリー『マチネの終わりに』、『男はつらいよ』シリーズの50周年記念作品として作られた『男はつらいよ お帰り 寅さん』、マジンガーZの地下格納倉庫はどうやって幾らで作れるのかを建設会社が真面目に検証し、その実際のプロジェクトを映写した『前田建設ファンタジー営業部』、キャラ弁の人気ブログを篠原涼子主演で映画化した『今日も嫌がらせ弁当』、ベストセラー作家吉田修一の原作を元に前作「64ロクヨン」の瀬々敬久監督が綾野剛、杉咲花、佐藤浩市など豪華キャストで描いたミステリー『楽園』、猫好きにはたまらない『旅猫レポート』など、日本でヒットした話題の作品も多く集めました!

映画好きのシネフィルの皆様のために、世界の映画祭で評価された良質の作品も選出しています。

ベルリン国際映画祭で国際審査員特別賞を受賞した、東日本大震災で家族を亡くした女子高生のロードムービー『風の電話』、男女の極限の愛を描き、キネマ旬報ベスト・テンの日本映画1位に輝いた『火口の二人』(R18+)、カンヌ国際映画祭の常連である黒沢清監督が前田敦子主演でウズベキスタンに長期ロケを敢行し、ロカルノ国際映画祭クロージングで話題を集めた『旅のおわり世界のはじまり』、数々の国内の映画賞を受賞し続けている気鋭の白石和彌監督による佐藤健主演の家族再会ドラマ『ひとよ』、直木賞作家の島本理生によるセンセーショナルな小説を原作に、夏帆x妻夫木聡が濃密なラブシーンに挑んだ『Red』(R15+)、社会派サスペンスというジャンルでは異例のロングランヒットを記録し、国内の数々の賞を受賞した松坂桃李、シム・ウンギョン主演の『新聞記者』など、国内外の映画祭や批評家に評価されたこれらの作品もおススメです。

またお子様のいらっしゃるファミリー向けにアニメも2作揃えています。

興行収入90億以上を稼ぎ出した『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』、「日本キャラクター大賞2019」でグランプリを受賞した大人気キャラクター「すみっコぐらし」の劇場版アニメ『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』は、日本でも大人気のアニメ映画です。

このほか、苦難を乗り越え60代で世界に見出された奇跡のピアニスト、フジコ・ヘミングに迫ったドキュメンタリー『フジコ・ヘミングの時間』は音楽好きの方は必見です!

今年のトロント日本映画祭の審査員でもある斎藤工さんが「齊藤工」名義で企画・原案・撮影・脚本・監督ほかを務め、加速する自主規制の波に対する忖度や、コンプライアンス問題に一石を投じた『COMPLY+-ANCE コンプライアンス』は、上海国際映画祭でも上映されました。進化する、映画の枠をはみ出した傑作です。

最後に、私の母校である大阪の茨木高校を舞台に作られた『葬式の名人』を紹介したいと思います。これは茨木高校出身で、ノーベル文学賞を受賞した川端康成大先輩の作品群をモチーフに、前田敦子、高良健吾主演で描いた現実とファンタジーが混じり合う群像劇です。あの二人が茨高に撮影に来たなんて、当時の在校生が羨まし過ぎです(笑)

またトロント日本映画祭は、去年に続き今年も「トロント日本映画祭in日比谷」と銘打って、ミッドタウンとコラボして野外で上映をすることになりました。こちらは東京のミッドタウン日比谷のステップ広場で10月16日〜30日に開催されます。https://www.hibiya.tokyo-midtown.com/hibiya-cinema-festival/

日本からも注目を浴びているトロント日本映画祭、是非この機会に楽しんでくださいね!

トロント日本映画祭 (Toronto Japanese Film Festival)
開催期間:10月3日(土)~22日(火) 
映画祭サイト:https://torontojff.jccc.on.ca/
チケット料金:CDN$9.99(1作品)*
【日系文化会館公式サイト】【トロント日本映画祭ページ】【TJFF上映予定作品リストページ】【Facebook】【Instagram】【Twitter】

*視聴はカナダ国内のみ

視聴方法:
観たい映画・日時が決まったら、以下のリンクをクリック!
www.torontojff.com

チケット料金:CDN$9.99

視聴期間:Playボタンをクリックしてから30時間

お支払い:クレジットカードが利用可能

視聴形態:ストリーミングでのみ視聴可能で、ダウンロードはできません。作品ごとに料金を支払って、期限内に視聴してください。

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