災害支援に女性の視点を!

文・野口洋美

「1日1個じゃ足りないのかもな」「そうかもしれませんね」

被災地に送る支援物資を仕分けしている職員たちの会話だ。寝そべって雑誌をめくっていた私は、つけっぱなしになっていたテレビから流れてきたこの会話に、雑誌を投げすて仰け反った。

「2022年5月17日、内閣府の『防災女子の会』が、防災担当大臣に『提言書』を提出した」と告げるニュースの中で流れた男性職員たちの会話は、「被災地支援の現場で女性職員がどれほど必要とされているか」を強烈なインンパクトを持って伝えていた。

「提言書」では、「避難所における性暴力・DVの防止や避難所運営等の意思決定の場への女性の参画」を促す施策を示すと共に、「国や自治体の防災担当女性職員の割合を増やし、女性の視点を組み込めるよう職場環境を改善すること」が重要であるとしている。

「防災女子の会」に男女共同参画局の女性職員が多数参加していることは、想像に難くない。

過去にも、東日本大震災後の避難所で生活する女性たちの声を集めることによって、女性のニーズに寄り添った支援のあり方が提言されてきた。

東日本大震災女性支援ネットワークがまとめた「こんな支援が欲しかった!現場に学ぶ、女性と多様なニーズに配慮した災害支援事例集」がその一例だ。

宮城県登米市では、避難所で生活する女性へ「パーソナルリクエスト票」を配布しそれぞれが使用している化粧品などのメーカー、下着のサイズなどを把握し、大量の支援物資の中から選別し配布した。

福島県では、「避難所における女性専用スぺース」を設置することで、着替えや授乳にも困っていた女性たちの安全と安心を確保し、女性同士の交流の場を提供した。

このように、東日本大震災後の避難所で生活する女性たちの声から生まれた女性のニーズに寄り添った支援のあり方は、その後の災害地での支援に大きく役立っているはずだった。

だが、2022年5月27日に発表された内閣府の調査では、防災や危機管理を担当する部署に女性職員がいない自治体が6割を超え、避難所運営や備蓄用品に女性の視点が反映されにくい現状が浮かび上がった。

最近の水害被災地で録画された冒頭の会話は、この状況を悲しいほどに物語っている。男性職員たちの話す「1日1個では足りないかもしれない物資」とは、生理用品である。

https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/r03/101/news_04.html

https://news.yahoo.co.jp/articles/d2fc9ccc1c93904d4f7ed233c50917878f340a9e

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