Society
人種、民族と雇用の関係:カナダの苦い現実 by 空野優子(2013年6月)

ヨーク大学キャンパス
先日、カナダの有力紙の一つであるGlobe&Mailに掲載された記事「‘Visible minority:’ A misleading concept that ought to be retired (ビジブル・マイノリティという誤解を招く表現は引退させるべし)」がちょっとした話題となった。今回は、この新聞記事のテーマであるカナダにおける人種と雇用の関係について考えてみたい。
ビジブル・マイノリティという用語は、カナダ政府の公式定義によると「白人でなく、先住民でもない人」を指す。この中にはアジア系、黒人、アラブ系などの人が含まれ、他民族国家のカナダでは全人口の19%、トロント市に限ると49%(2011年人口統計)がビジブル・マイノリティに相当する。Read more
取締役に女性を!カナダ的アプローチ by 斎藤文栄 (2013年6月)
先日、オンタリオ州の女性問題担当大臣が、トロント証券取引所に上場している会社を対象に、企業における女性の昇進を促すため努力目標を設定するようなルール作りを考えていることを明らかにしたと5月28日付けの全国紙グローブ・アンド・メールが伝えた。(*1)トロント証券取引所に上場している会社というと、カナダのほとんどの大企業が影響を受けることになる。Read more
赤ちゃんは男の子!サーカムシジョン(割礼)はどうする?by 篠原ちえみ(2013年5月)

ベルリンのブランデンブルク門前で男性のサーカムシジョンに対する抗議行動(2012年12月12日)REUTERS/Pawel Kopczynski
妊娠中の定期検診で、産科医から「ところで、サーカムシジョンはどうしますか?」と訊かれたときには、「ここは日本じゃないのね!」と実感した。夫が「必要ありません」と答えると、医師は「もちろんですよね」と言い、この話はさらりと流れた。日本人の私にとって、サーカムシジョンという習慣は何かとても不可解で奇妙なものである。ただ、カナダで妊娠すると避けては通れない話だし、妊婦向け雑誌などでこの習慣について読んだり、妊婦同士で話をしたが、いまもって不可解な気持ちが残っているので、少しここに書いておきたい。Read more
「あいさつ」 by ケートリン・グリフィス (2013年4月)
娘が体験入学で日本の小学校へ通っている。小2だ。娘は娘なりの発見と驚きがあると思うが、それはまた後々彼女から伝えてくれれば、と思っている。これは、取りあえず私の感想である。
ちょっとのんびりとした空気が漂うこの町(自動販売機もコンビニも見当たらない)。娘は近所の子供たちと一緒に学校へ行く。上級生の子がリーダーで、集団登校での通学だ。帰りは一人か友達と帰宅。子供たちへの信頼、自由があって微笑ましい。Read more
カナダの上院議員制度 ~議員のスキャンダルがメディアを賑わす~ by サンダース宮松敬子 (2013年4月)
カナダの議会は、選挙によって国民が選出した305名の下院議員と、首相が任命する105名の上院議員(senate)から成り立っている。
上院議員に任命される条件はいろいろあるが、まずは「カナダ人であること」「30歳以上でエリザベス女王に忠誠を誓うこと」そして「少なくとも$4千カナダドル以上の土地などの純資産を有すること」が最低条件である。Read more
この国は誰のもの?トロント市『Sanctuary City(聖域都市)』宣言 Part II by 空野優子 (2013年3月)
前回トロント市議会の「聖域都市宣言」について書いたが、今回はその続編として、移民政策のあり方に対する様々な見方を取り上げてみたい。この宣言によって、トロントは、市内に住む外国人に対して、カナダでの滞在資格の有無に関わらず市のサービスを提供することを正式に決定した。 Read more
トロント市『Sanctuary City(聖域都市)』宣言 Part I by 空野優子(2013年3月)
「トロントに住んでいる人は誰でも、カナダでの法的な滞在資格のあるなしに関わらず、市のサービスを受けることができます。」
2013年2月20日、トロント市議会は、こんな決議を37-3の大多数で採択した。同時に、市議会は、連邦政府に対して、現在非正規にカナダに滞在している人に正式な滞在資格を与えるモラトリアムの可能性を探ることを求め、州政府にも州住民へのサービスの提供の見直しを求める決議を採択した。Read more
「オンタリオ州に初の女性首相誕生」 by斎藤文栄 (2013年2月)
カナダ最大の人口を抱えるオンタリオ州の首相に、初めて女性が就任した。名前はキャスリン・ウィン。これでカナダ10州の半数、5つの州の首相が女性ということになる。(準州も入れると6番目)。また彼女はレズビアンであることを公言している初めての州の首相でもある。
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先日、ある国語の先生から「たとえば、カナダなんかでも日本のカワイイはやはりカワイイって思われるんでしょうかね」と聞かれた。そのときの教材が日本のカワイイ文化についてのものだということで、国語教育に熱心なこの先生は(ちょっとズレた)私のところに話をしに来たのだった。それを発端にいろいろと話をしておもしろかったのだが、ひとつ驚いたことは、概して日本人が「日本のカワイイ文化は海外でも十分、通用する」「日本のカワイイ文化は今や世界を圧巻している」と思っていること。Read more
日本では介護分野の仕事に関し「過重労働、薄給、腰痛、等・・」が問題視され、これが介護施設職員の定着率の低さやサービスの質の低下につながっているといわれている。
定年退職し時間に余裕のある私は、このことの実情を知りたいのと、また社会への恩返しの気持ちもちょっぴり含め今年の秋から介護施設にパートタイムで勤めることにした。Read more
性的マイノリティの可視性 ープライドパレードから見た、トロント、ニューヨーク、そして東京 by 佐々木掌子(2012年10月)記事を読む
性別を教えないで育てると子どもはどう育つか? by 佐々木掌子 (2012年1月) 記事を読む
女の子の方が学力的に優れている理由 by 篠原ちえみ (2011年12月) 記事を読む
北米における「生殖産業」の実態 by サンダース宮松敬子 (2011年12月) 記事を読む
『テリー・フォックス』っていう人をご存知ですか? by ケートリン・グリフィス (2011年11月)記事を読む
カナダの英雄テリー・フォックス by サンダース宮松敬子 (2011年11月) 記事を読む
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